テノール 中島 康晴(Yasuharu Nakajima)

東京藝術大学声楽科を首席卒業、安宅賞、松田トシ賞、アカンサス音楽賞、NTTドコモ賞を受賞。同年大学院在籍中に日伊声楽コンコルソ、イタリア声楽コンコルソ優勝。リクルートスカラシップ、ローム奨学金を得て、ミラノのヴェルディ国立音楽院へ留学後、ミラノ・スカラ座の給費研修生としてソリストコースで研鑚を積みディプロマを取得。

 

ヴェルディ作曲『オベルト』リッカルド役で日本人テノールとして初めてスカラ座に26歳の若さで主役デビューを飾る。R・シュトラウス『ばらの騎士』テノール歌手役、ゼッフィレッリ演出プッチーニ『ラ・ボエーム』ロドルフォ役、ヴェルディ『2人のフォスカリ』ヤコポ・フォスカリ役でスカラ座に主役で出演、特に『2人のフォスカリ』はリッカルド・ムーティに抜擢され出演し成功を収める。2003/04シーズンにはムーティ指揮ロッシーニ『モーゼとファラオ(仏語)』のアメノフィス役でスカラ座オープニング公演を飾る。ドニゼッティ歌劇場、及びスカラ座でドニゼッティ『パリ伯爵、ウーゴ』のタイトルロール、ヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場ビゼー『真珠採り』のナディール役、同役でミュンヘン・ガスタイクホールにてマルチェッロ・ヴィオッティ指揮ミュンヘン放送管弦楽団とも共演。パルマ・レージョ劇場ではベルリオーズ『ファウストの劫罰』ファウスト役、ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場でヴェルディ『ナブッコ』イズマエーレ役、アンコーナのテアトロ・ミュゼで『ラ・ボエーム』のロドルフォ役に出演。ペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバルでは『ランスへの旅』リーベンスコフ役で出演、同役をフランクフルト歌劇場でも16回出演し大成功を収める。

これまで『セヴィリアの理髪師』はスカラ座、ヴェローナ・フィラルモニコ歌劇場、スポレート、マントヴァなどのイタリア主要歌劇場ほかデトロイトのミシガンオペラなどに多数出演している。またトロント・カナディアンオペラカンパニーやボストン・リリックオペラなどではドニゼッティ『ランメルモールのルチア』のエドガルド役で出演。

世界でも数少ない確かなベルカント発声の技術と幅広い音域、美しい響きは海外でも高い評価を受ける。二期会会員